和装の花嫁さんの頭の白い布の秘密・・・「角隠し」の怖い意味 | JOYJOY〇JAPAN
幼い頃、結婚式場に向かうタクシーが近所にとまっていて、
そのうち和風の婚礼衣装の花嫁さんが現れて、うっとりと眺めていました。
でもその花嫁さん、タクシーに乗り込むときに、頭の白い被り物が引っかかって、
なんだかとても動きづらそうでした。
まわりの大人に「なんであんなに大きな被り物なの?」ときくと、
「あれは角隠しだよ」と教えてくれた人がいました。
(角隠し・・・?)
子供心に「あの花嫁さんはツノでも生えてるのかな?」と思い、
ちょっと怖くなったのを覚えています。
日本古来の和装結婚式ではお決まりの形式なんですよね。
角隠しの由来はいくつかありますが、
有名なのは「女性は嫁ぐと怒りっぽくなるので、ツノを出させないため」説。
そして、もうひとつは「女性は嫉妬深い鬼になりやすいので、それを抑えるため」説。
どちらもヒドイ内容だとは思いますが、古くからの伝統でもあるので仕方ないですね。
ほかにもあの角隠しの由来は、たくさん伝わっています。
たとえば、「女性の長い髪は”不浄のもの”とされており、
祝いの席ではそれを隠すために、あんな大きな被り物になった」という説。
白無垢を着るときに花嫁さんは独特のマゲを結いますが(=文金高島田)、
最大でこれくらい高さの出る髪型なんですね。これを覆い隠すには、
角隠しのサイズも当然大きくなってしまう。
というわけで、タクシーの乗り降りにも困るほどの高さの角隠しが必要だったんです。
ほかに、「綿入れの防寒具だった」という説や、「ホコリよけ用」説、
「花嫁さんの神秘性を出す目的」説などがあります。
ちなみに、私が「ステキだな」と思った説はコレです。
『角隠しは”人”という漢字になっている』説。
たしかに、正面から見ると「人」という字に見えます。
結婚は人と人との繋がりが増えるものだから、ということらしいです。
(↑入家の「入」という字にも見える、という説もあり)
「女性が鬼になる」ことを前提にささやかれている説よりも、
私はこっちの説のほうがスキですね。せっかくきれいな花嫁さんなのに、
鬼の角だとか不浄だとか、なんだか悲しいので(笑)☆