【日本の色の名は詩的で美しい!日本特有の青緑「浅葱色」】
「浅葱色(あさぎいろ)」。”浅いネギの色”と書きます。
その名のとおり、若いネギの特有の青緑色のことで、きわめて日本的で優美な色です。
瑞々しく爽やかな色合いで、ちょうど青と緑の中間のよう。
水資源の豊富な日本を思わせる色ですね。
また、京都の竹林のイメージもあるような気がします。
言葉にしたときの音韻も非常に美しいですね、アサギイロ。
和風の色の名はどれも詩的です。
出典 https://ja.wikipedia.org/
このように、緑とも青ともつかない絶妙カラーが魅力です。
浅葱色と同じ読みの色に「浅黄色」がありますが、
こちらは黄色系の色で、浅葱色と混同されることが多いですが、
じつはまったくのベツモノ。
この浅葱色、じつはあの新撰組の青い羽織の色でもあるんです。
ときに、こんなタイトルのマンガを見つけました(笑)その名も『アサギロ~浅葱狼』。この巻の表紙が忠実な浅葱色です。
新撰組の沖田総司をメインテーマにしたマンガです。
新撰組のあの独特な柄の羽織は有名ですが、
恥ずかしながら、私は長年「青地に白抜き柄」という印象しかありませんでした。
じつはこの青色、正しくは「浅葱色(あさぎいろ)」なんですね。
新撰組の羽織は人気で、コスプレ衣装にもよく用いられますよね。
手作りする人も多いです。
もし新撰組に本気でなりきろうとい方は、この正しい浅葱色を意識してみるといいかも?
【浅葱色にはさまざまな派生色が。見分けが難しい】
カラーコーディネーターの資格をお持ちの方はご存知かと思いますが、
色彩検定では、数が非常に多い和風の色をすべて見分けなくてはなりません。
私もカラーの勉強をしたいと思い、参考書を見てみたのですが
あまりの和の色の多さに圧倒されてしまい、勉強するに至りませんでした。
ちなみに、この浅葱色にもいろんな派生色が存在します。
「水浅葱(みずあさぎ)」、「花浅葱(はさあさぎ)」、「錆浅葱(さびあさぎ)」、
「鴇浅葱(ときあさぎ)」、「薄浅葱(うすあさぎ)」など、
どの名も風流で美しいものばかり。
このうち、「花浅葱」などは「浅葱色より若干緑がかっている」という程度の差で、
きっと別々に見せられたら、瞬時には見分けがつかないでしょう。
「錆浅葱(さびあさぎ)」。音韻もステキですが、渋い色合いもまたステキ!
日本の色は、海外のポップな色と違って、ほんとうに絶妙で繊細な色が多いです。
「○○色」と一口に形容しがたいのがいいですよね。
鮮やかな色ばかりでなく、ちょっと濁っていたり、くすんでいたり。
主張の控えめな色味もまた、和風カラーの特色。
こういう色の世界にも、日本特有のワビサビの精神が宿る気がします。
奥深い日本特有の和色の世界。日本人に生まれたなら、
その奥深さを心ゆくまで味わってみたいものですね。
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