日本特有の美しい色と名前~【浅葱色(あさぎいろ)】 | JOYJOY〇JAPAN
「浅葱色(あさぎいろ)」。”浅いネギの色”と書きます。
その名のとおり、若いネギの特有の青緑色のことで、きわめて日本的で優美な色です。
瑞々しく爽やかな色合いで、ちょうど青と緑の中間のよう。
水資源の豊富な日本を思わせる色ですね。
また、京都の竹林のイメージもあるような気がします。
言葉にしたときの音韻も非常に美しいですね、アサギイロ。
和風の色の名はどれも詩的です。
このように、緑とも青ともつかない絶妙カラーが魅力です。
浅葱色と同じ読みの色に「浅黄色」がありますが、
こちらは黄色系の色で、浅葱色と混同されることが多いですが、
じつはまったくのベツモノ。
この浅葱色、じつはあの新撰組の青い羽織の色でもあるんです。
ときに、こんなタイトルのマンガを見つけました(笑)
新撰組の沖田総司をメインテーマにしたマンガです。
新撰組のあの独特な柄の羽織は有名ですが、
恥ずかしながら、私は長年「青地に白抜き柄」という印象しかありませんでした。
じつはこの青色、正しくは「浅葱色(あさぎいろ)」なんですね。
新撰組の羽織は人気で、コスプレ衣装にもよく用いられますよね。
手作りする人も多いです。
もし新撰組に本気でなりきろうとい方は、この正しい浅葱色を意識してみるといいかも?
色彩検定では、数が非常に多い和風の色をすべて見分けなくてはなりません。
私もカラーの勉強をしたいと思い、参考書を見てみたのですが
あまりの和の色の多さに圧倒されてしまい、勉強するに至りませんでした。
ちなみに、この浅葱色にもいろんな派生色が存在します。
「水浅葱(みずあさぎ)」、「花浅葱(はさあさぎ)」、「錆浅葱(さびあさぎ)」、
「鴇浅葱(ときあさぎ)」、「薄浅葱(うすあさぎ)」など、
どの名も風流で美しいものばかり。
このうち、「花浅葱」などは「浅葱色より若干緑がかっている」という程度の差で、
きっと別々に見せられたら、瞬時には見分けがつかないでしょう。
日本の色は、海外のポップな色と違って、ほんとうに絶妙で繊細な色が多いです。
「○○色」と一口に形容しがたいのがいいですよね。
鮮やかな色ばかりでなく、ちょっと濁っていたり、くすんでいたり。
主張の控えめな色味もまた、和風カラーの特色。
こういう色の世界にも、日本特有のワビサビの精神が宿る気がします。
奥深い日本特有の和色の世界。日本人に生まれたなら、
その奥深さを心ゆくまで味わってみたいものですね。