海外にいて痛感した日本の良い所、悪い所!日本の物について
留学時、私はホームステイをしていました。
はじめ、学生は日本人の私一人だったのですが、のちにドイツから一人、オランダからもう一人来て、一家庭に最大で3人の学生がステイしていました。
その中のオランダ人学生は年齢が同じで、しかも誕生日が1日違いだったため、とても仲よくなり、いろんな話をしました。
オランダ人の彼女が日本人の私に興味を持ったのは、「髪」と「瞳」です。
そのオランダ人の彼女は、「ねえ、触っていい?」と私の髪を触りに来ました。
初めて私の髪をさわったオランダ人の彼女は、「不思議なくらい重いのね」と言いました。
私の髪は、日本人の中でも特に剛毛で太く、毛量も多くて悩みのタネでした。
それをやわらかな輝くような金髪の彼女に言われて、正直いい気持ちはしませんでした。
そしてオランダ人の彼女は、「顔、見せて」と言い、私の顔を隅々まで、まるで毛穴を覗いているかと思うくらいジーっと見ていました。
ほんの数分のことなのでしょうが、私にとってはまるで「実験対象の動物扱い」されているようで、不愉快でした。
そうやって私をじっくりと観察した彼女の口から出たことばは「うらやましい」。
とても驚きました。
うらやましい?私の髪が?この剛毛が?この顔の、どこが?なに言ってんの?
そのあとのオランダ人の彼女の話は、想像をはるかに超える内容でした。
「髪と瞳が同じ色って、ほんとにうらやましい。しかも眉もまつ毛も同じ色なんて。
私たちオランダ人の金髪は細くて軽くて、髪をとかすたびに抜けるし切れるし、しかも太陽にあたると焼けて色が抜けてしまう。
白っぽくなってしまってすごく悲しいし、かっこわるい。
それに地肌がすぐ焼けてしまうから、皮もめくれてフケみたくなっちゃう。
眉もまつ毛も金色だからないように見えるから、顔がのっぺらぼうに見えてしまう。
だから眉もまつ毛も欠かさず染めないとみっともない。
それなのに瞳はブルー。ブルーと茶色は反対色だから合わない。
それに比べて、日本人は髪も瞳も眉毛もまつ毛も全部同じ色で、それってほんとうにエキゾチックで素敵。
すっごくうらやましい。」と。
途中から加わったドイツ人の女の子も、それを聞いて言いました。
「あなたは本当にきれいに日焼けしてる。私たちは日焼けするとすぐヤケドになって水ぶくれになるから日焼けもできない。
あなたの肌はまるで色を塗ったみたいにきれい。初めて会ったときから、うらやましいと思ってた。」と。
私は言葉を失いました。
背が低くて日焼けして真っ黒な顔。
外国人の間でやたら主張が強い黒い髪と瞳。
それが外国人の女子にここまでうらやましがられるとは。
私たち日本人にとっては彼女たちのようにブルーやグリーンの瞳はほんとうに神秘的だし、天然の金髪やブラウンの髪は細くて軽そうで美しい。
ああ、しょせん無い物ねだりなんだなあと痛感。
そして私が「あなた達の方がうらやましい」と言うと、「なに言ってんの?!」と、私と同じことを感じたようでまったく同じ反応をしました。
そして、お互い大笑い。
ただ、私はそのときに「帰国しても髪を染めるのはやめよう」って思いました。
せっかく″うらやましがられるもの″なんだもの。
それ以来、髪を茶髪にするのはやめました。
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