出典 https://ja.wikipedia.org/
【日本人でもイマイチ把握しきれてない言葉「ワビサビ」】
「わびさび」って言葉、日本人なら誰もが耳にするんですが、
なんとな~く雰囲気だけはつかめてても、実際はなんなんだかよく分からない。
そんな人も多いのではないでしょうか?(私だけかな?)
「わびさび」とは、日本の美意識のひとつだそうで、日本独自の言葉です。
外国に、これに代わる言葉は存在しません。
意味は”質素で、静かであるさま”だそうです。これはなんとなく理解できるかも。私の中では、「わびさび=千利休の茶室」のイメージです。
「簡素で寂しさがあるけれど、その中に趣を見出す」みたいに思えるんですが、
正しくはなんなんでしょうか?
「わびさび」は「わび」と「さび」に分けられ、
それぞれ「わび=侘」、「さび=寂」と表記されます。
これ、名詞なんですが、どっちももともとは動詞なんだそうです。
まず、「わび」は動詞の「侘(わ)ぶ」という動詞に由来します。
意味は、「貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識」。
華やかなものにはなく、すこし落ちぶれたような雰囲気の中の美しさ、ということでしょうか。
次に「さび」は、動詞の「寂/然(さ)ぶ」に由来する言葉。
意味は、「閑寂さのなかに、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさ」。
うーん、難しい(笑)!どっちも簡単に理解し得るものではなさそうですね。
【「古く寂れた中に、本質的な美しさを見出す」=わびさび?】
出典 https://ja.wikipedia.org/
日本特有の美意識って、たしかに華美なものよりも、
どこかはかなげで地味で寂しげな雰囲気の中に見出せるものが多いですね。
たとえば、金閣寺と銀閣寺ではどちらに日本美を感じるかというと、
おそらく銀閣寺のほうだと思うんですね。私自身も子供の頃は、
「銀閣寺ってなんて地味なんだろう」と思ってました。
「パッと見で華やかな金閣のほうが単純に美しい!」と思っていたので、
その対である銀閣寺にはほとんど興味はありませんでした。
「大人になっても、きっと銀閣はツマラナイ存在のままだろう」と思い込んでいた。
でも年齢を経て、銀閣寺を改めて見に行ったときに、
「ああ、寂しげで普遍的だなあ」と、子どもの頃とは違った目線で眺めることができました。
久々にみた銀閣寺は、あいかわらず地味でした。でもその中に、
穏やかな枯れた佇まいみたいなものを感じました。金閣寺を眺めていると、”栄華”な昔の時代の面影がありますね。
でも、栄枯盛衰を思わせる建物でもある。「華々しいものもいつかは終わる」というような。
いっぽう、銀閣寺はというと、華やかなものにはない”芯”のようなものがある。
壊れそうで壊れない強さ、みたいなものです。
銀閣寺は、生き生きとした華やかさや明るさとは無縁ではあるけれど、
武骨で静かで物知りなお年寄りのような空気を感じました。
私の中では、銀閣寺の姿が「わびさび」なのかな?と思うんですね。
これが正しい解釈かどうかは分かりませんが、日本に生まれて日本に育ったからこそ、
こういう感覚が生まれるものなのかな?と思うようになりました。
古い神社仏閣めぐりが大好きな日本人は多いと思いますが、
そこにも「わびさび」の精神はきっと生きている。
「わびさび」という言葉の意味を正しく知らなくても、なんとなく日本人の心には
こういう寂しげな美しさを愛でる精神が根付いているのかもしれませんね。
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