日本の”おもてなし”の原点~茶室の狭い出入口のワケとは? | JOYJOY〇JAPAN
時代劇や寺社探訪系のテレビ番組をみていると、
よくちいさな庵(いおり)
私は日本に住んでるのに、一度も茶室に入ったことがないんです。
一度でいいから、あの狭い入り口から身をかがめて中に入り、
でも、京都を訪れても、なかなか茶室って解放してくれませんよね。
ところで、あの茶室の狭い入り口は「躙口(にじりぐち)」といって、
約60センチ四方の小さな引き戸になっていますよね。
子どもならまだしも、成人だと出入りするのに非常に苦労するサイズです。
あんな狭い出入口を設計した理由ってなんなのでしょうか?
それは、あの千利休が、
茶の精神を意図的に表現したためと言われています。
茶室の出入口は、普通では考えられないほどの狭さ。
でも、じつはそこに大切な意味があったんです。
茶室に入って茶をたしなむ人々は、身分に関係なく、
その門をくぐることで、頭を垂れ、腰の刀を外して外に置き、1人の無垢な人間として
この茶室という静謐(せいひつ)な空間に身を置くのです。
茶を味わうひとときは、
どんなに偉い身分の人でも、
平身低頭しなくてはなりません。
天下人も武家人も町人も区別なく、
それが茶の湯の礼儀であり、マナーなのです。
そのマナーを確認するための、あの「躙口(にじりぐち)、というワケなのです。
あの織田信長さえも、この出入口をくぐるときは、
身を小さくして通ったはずなんですね。想像すると、ちょっと面白い。
日本の茶室は、きわめて日本的な建築スタイルで、独特の文化です。
たった二畳ほどの簡素な小空間”茶室”は、
日本人の「おもてなしの心」の原点と言われています。