同時多発テロ後の「海外渡航」で感じた事
2001年9月11日。
世界を震撼させたアメリカにおける同時多発テロ。
その直後の9月29日。
私は結婚いたしました。
むろん、結婚式の後は新婚旅行。
その目的地はローマとパリ。
しかし、あの大騒ぎの中、アメリカではないにせよ海外渡航など可能なのか?
そんな心配をよそに旅行代理店からはなんの連絡もないので、とりあえずこちらから連絡をすれば、予定通りそのツアーは催行されるとのこと。
そうであればこちらも予定通り結婚式をこなし、海外旅行へ行く手はずを整えました。
「飛行機会社」友人に聞かれた事の真相?!
そして結婚式当日。
中学時代からの友人で、都内M大学の在学中にヨーロッパへの放浪の旅に出た経験のある友人は、僕に対してお祝いの言葉もそこそこ、こう聞いてきました。
「新婚旅行には行くの?」
その問いに対しローマとパリに出かけると伝えると、友人は身を乗り出し、さらにこう質問してきました。
「行きの航空会社ってどこ?」
おやおや、マニアックな質問だぞ…と思いつつ、旅行社に聞いた通り、往路はエールフランス。
帰りはルフトハンザであると伝えました。
すると友人は、その返答を聞くやいなや満面の笑みをたたえて、語りだしました。
「そりゃよかった。JALで行くとか言ったら、絶対止めなきゃって決心してここに来たんだよ。
なにせあの同時多発テロがあったからには、JALの飛行機がタリバンに狙われる可能性まで予測しちゃう。
でも結局、JALじゃどうしようもないからね。エールフランスか。NATOできっと守ってくれるさ!」
「えっ?JALじゃまずいの??」
「JALはまずいでしょ。平和維持活動に消極的な国の飛行機なんて、命がけで守る国があったら、そりゃ日本にしてみたらいい国だけど、母国の連中はなにやってんだバカ!って言うにきまってるさ。」
物見遊山の新婚旅行で、世界の中の日本を考えさせられた会話。
日本国内では気がつかない「世界情勢」
同時多発テロは、テレビ画面に映し出される光景は、恐怖を感じさせましたが、実感として恐怖を味わったのは、結婚式当日に交わした友人との会話。
そしてシャルルドゴール空港に降り立った際、空港内でライフルを背負った軍人らしきフランス人を目撃したこと。
世界は確実に回っているのだと実感しました。
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