【夜にツメを切ってはいけない?その言い伝えとホントの理由】
日本では昔から「夜に爪(つめ)を切ってはいけない」といわれます。
私が子供のころ、自宅で夜中にツメをパチパチ切っていると、
なぜか母親が「夜に爪を切ったらダメ」と言ってきたんですね。
そのときは何も思わずに(そういうものか)と思って、切るのをやめました。
で、オトナになった今でもその習慣が抜け切らない。
なんとなく、夜間は爪切りを避けてしまう自分がいるんです。習慣って怖いなぁ。ところで、なぜ夜に爪を切ってはいけないのか。
「そんなの、いつ切ろうが自由じゃん!」と悪態をつきたくなるわけですが、
これ、どうやら”日本の住宅事情が関係している”と感じます。
日本は、海外から「ウサギ小屋に住む民族」と揶揄(やゆ)されていますね(笑)。
たしかに日本の住宅の多くは密集していることが多いです。
もちろん、田舎のほうだと広々とした邸宅がありますが、
ちょっと都心寄りに住めば、かならず密集住宅。そして、アパートなどの集合住宅も多いですよね。
また、日本では昔から部屋の区切りがフスマで、となりの部屋同士の音はほぼ筒抜けでした。
(今でも、住宅によっては爪切りの音が筒抜けになることも多い)
というわけで、「爪切りの音は夜はうるさいから控えよう」と意味もあります。それはいいとして、例の「夜に爪を切ると、親の死に目に会えないよ」という言い伝えは、
いったいどういうことなんでしょう?
【「夜爪を切る」=「夜詰め」に通じるから、親の死に目に会えない?】
たかが爪を夜に切っただけで、「親の死に目に会えない」とか、「親不孝な行為だ」とか、
けっこうヒドイ言われよう。これっていったいどうして?
じつは昔、参勤交代などで「夜に詰め所にいること」を「夜詰め(よづめ)」と言いました。
昔は遠い場所に「夜詰め」しにいったので、なかなか自宅に戻ってこれなかったようです。
つまり、何夜も家を空けることになったんです。
辞書などにも書いてあります。<■【夜詰め】・・・夜、勤務の場所などに詰めていること。また、夜遅くまで働くこと。>
で、「もしこの息子不在の夜間に、親の身にもしものことがあったらどうするんだ!」
というワケで、「夜詰め」=親不孝ということになったんですね。
それが転じて、「夜爪を切る」のも親不孝、という意味合いになったようです。
ただの音の響きから、夜間の爪切りはNGとされてきたんですね!
「じゃあ、別に夜に爪を切ったっていいじゃない」と思うわけですが、
なんとなく縁起が悪いような気がして、いまだに夜、爪を切るのはちょっとためらいます。
実際、夜に爪を切ると甲高い音でけっこう響きますしね。広いおうちや広いお庭にお住まいの方は、いつ爪きりしてもOKだと思います♪
ただ、この都市伝説的な昔からの言い伝えを無視すればいいハナシなのです。
私はちょっとためらいますが(笑)。信じているというよりも、ただの習慣です。
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